不思議に思うことがある。
よく「第一印象は6秒で決まる」とか「そのうちの80%が視覚的印象で決定する」と言うけれど、私の場合は、人の第一印象は6秒程度では決まらないし、ましてや視覚的印象などは30%以下かもしれない。
勿論、第一印象が非常に良くてそのままおつきあいする人もいるけれど、多くの場合はおつきあいは第二印象から始まる。
これは心理学の方で言うと「新近効果」とよぶそうで、何度か会っているうちに形成される印象の事をいうのだそうだ。
人間観察力が鋭い人ほど、第一印象で相手の特徴や性格を見抜く確率は高いそうで、そうすると私などは人間観察力のない、人的ネットワークを率いる者としては不適格な人間と言える。実際に、モノの本には「観察力のあまりない人ほど『新近効果』があらわれる」とも書いてある。やっぱし・・・。でもこれって、いかにもあなたは鈍いと言われているようで好ましくない表現ね。(笑)
ところが、ある時ふと思ったのだ。いくら第一印象のいい人でも、つきあわない人とはつきあわないし、なんの印象もない人でも、その後のふとした発言や行動からその人の心や人柄がわかって交流が生まれることがある。第二印象というのは、相手の意思表示をキャッチして感じる印象であり、双方向のコミュニケーションから生まれる印象なのだから、第一印象より第二印象の方がはるかに真実であり、大切なのではないのだろうかと。
もちろん「面接」という特別な場面においては「最初の3分間」が勝負になるかもしれないが、平常時の人との出会いにおいては、お互いに第二印象を引き出すコミュニケーション力をつけることの方がよほど大切だと思うのだ。
例えば、人前に出ることをあまり好まないタイプの、ましてやプレゼンなどとてもとても、という人は、やっぱり第一印象は薄いけれど、肝心の時にいつも何かしら応えてくれるようになると、へぇ、この人はこんな人だったんだと思い、そこからまたコミュニケーションが始まる。
こんなふうに、最初は印象の薄い人でも、次第にその人がわかってきて交流が生まれてくる経験を何度も繰り返していると、何故、人は第一印象ばかりをそんなに重要視するのかなあと不思議に思うのだ。利害関係のないネットワークの特性なのだろうか。
結局、第二印象に大切なことは「自分の価値をもって、ちゃんと自分を生きている事」「自分の思っていることを素直に伝えられること」そして「コミュニケーションしようという心をもっていること」に尽きるのではないだろうか。だから、起業家として「伝える」力を磨くため、みんなプレゼンを練習しようね! と、いきなりプレゼンの勧めになっちゃうところがキープラらしいかな(笑)。
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