「判断さえ間違わなければ、あなたはちゃんと責務をまっとうできる人だから大丈夫でしょう」と古い知り合いの社長さんは言った。「じゃぁ、判断を間違えたらどういうことになるんでしょうね」と聞くと、その人はそんなことはどうってことないよ、と言いたげに、あっさりと電話口で言った。「間違いは人生の友だから」と。
「間違いは人生の友」か。そう思ったら、ふっと、気持ちが軽くなった。一瞬の沈黙の時間、声のない言葉が空から降ってきた。「友のいない人生はつまらないですよ、命に関わるような間違いでなければ、いい友とは一生涯つきあっていった方がいいね。間違えたら、またやり直しすればいいんだし。それが人生というものじゃないのかな。僕達はあなたが間違えても、ちゃんと、受け止めるから安心してやってごらんよ」そのとき、ふと、忘れていたことを思い出したような気がした。「あ、そうだ、私には出来るんだった」と。
人を信じる力というのは、相手がもっている潜在的な自己肯定力を引き出すのかもしれない。誰かが言っていたけれど、自分を受け入れずにして、自己実現はないのだそうだ。そうよ、忘れていたの?あなたにも私にもこれから始めることは、すでに出来ることなのよ!
多くの、身の丈事業でスタートした人も、身の丈以上で始めた人も、独立すると自分で判断し、決断しなければならないことが多く、それは一度や二度でなく、事業を継続している間中ずっと続く。判断して決断して実行して−また、判断して決断して実行して・・・、その繰り返しの中で使命を感じ、情熱が生まれ、感動をもらい、そして喜びがある。お金は、それらの間を上手い具合に取り持って、「よっしゃ!やったろうじゃないの!」位たくさんもらったり、絶句するほどの価格に言葉を失ったり・・・(笑)となるのである。
人は誰でも経験を通して限りなく成長し、限りなく夢をみたい。成長は生きる喜びの一つである。だから、いいのよ。失敗やトラブルを恐れて何も成長しないより、成長していく可能性や、自分の潜在的な能力をもっと信じて、自分を強くしていけば。
と、あれこれ次の策を考えていたら、つながっていない受話器がもう一度言った。「川野さん、ただし『判断』さえ間違わなければだよ、まずは事業プランだよ」と。
そうだ、そうだ、事業プランだ。「間違いは人生の友」だけれど、間違いだらけの人生じぁ、ちょっと怖いからね。連休は事業プランの作成です
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