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代表・川野真理子


コラム「銀座物語」
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−銀座物語− 独立と人生は、キープラネットが発行している会報誌の巻頭に
代表の川野真理子が毎号掲載しているものをホームページに掲載しています。
※1998年創刊号から2005年39号までは「神宮物語」として配信していました。
 

2007年9月4日配信★【きぷら開運159号】★より

川野真理子の「あなたにはメンターがいますか?」

 ある飲食店コンサルタントが、自分の体験から感じることだがという
 ことで書いていました。
 女性はトレンドには敏感だけど、同じお店に通う人は少なく、「次の
 お店」「まだ行っていないお店」を探す傾向が強い。その点、おじさ
 まは、高級店ではなくても、小綺麗で趣のある「馴染みの店」をもち
 たがると。

 しかも、それはたいがい女性の好みと一致するというのです。

 なるほどな〜と思いました。彼は、実際に自分のお店を経営しながら、
 現場をもったコンサルタントとして活躍しています。

 同じ女性好みのお店なら、お財布のひもが固い女性客を狙うより、外
 で飲み慣れている財布のひものゆるいおじさまを狙った方がいいのは
 確かです。しかも、おじさまは、お客様を連れてきますしね。

 ちょうど、(今さら)読んでいる、ドラッカーの「非営利組織の経営」
 の中に、新しいものを始めるにあたって、誰もが犯しやすい間違いに
 気をつけなければならないという箇所がありました。

 現場から新しい価値を見つけるという意味で、同じことを言っている
 な〜と思ったので引用してみました。

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 「犯しやすい間違い」

 その一つが、アイデアから一挙に全面展開に入ることである。テスト
 の段階すなわちパイロット(試行)の段階をとばしてはならない。最初
 から全面展開をはかるならば、小さな傷がせっかくのイノベーション
 を台無しにする。

 もう一つが、自ら調べることをせずに、誰でも知っているとされてい
 ることを真に受けることである。通常誰でも知っていることは20年遅
 れである。政治の世界でも、誰でも知っていることをいっているだけ
 の者は姿を消していく。実際に見て試さなければならない。試してみ
 れば20年前のものであることはすぐに明らかになる。

 もう一つの間違いが独善である。通常イノベーションを行った者は、
 現実に合わせて修正することがない。新しいものには、考えていたと
 ころとは別のところにマーケットがある。これが昔からの常識である。

P.F.ドラッカー著書『非営利組織の経営−原理と実践−』
P80・2行目から引用 (ダイヤモンド社)
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 特に、2段落目と、最後の「考えていたところとは別のところにマー
 ケットがある」というところは、強くマーカーで囲んでしまいました。

 世間の常識だから・・・と言うことをそのまま受け入れるのではなく、
 現実の自分の体験から新しいものを生み出せよと言っているわけです
 ね。新しい価値の創造っていうことだと思います。
 更に、いきなりではなくて、試行段階を経てやりなさいというわけで
 す。

 起業というのは、他との差別化が明確で、自分の強みを発揮できるこ
 とでなければ厳しいし、でも、人とは違う初めてのサービスなので不
 安だという両面があると思います。

 私は、来年起業家ダイニングサロンをオープンする前には、ターゲッ
 トとするお客様(つまり、起業家や経営者)の人に、「こんなお店でこ
 んな感じで、こんなところなら行きたいと思う?」とマーケティング
 をするつもりです。

 ただし、このように人に意見を聞くと、いろいろな人にいろいろなこ
 とを言われますので、コンセプトが出来る前にそれをやると、「お客
 様志向」と言っても、寄せ集めのコンセプトになってしまいます。
 それではいけないので、ある程度コンセプトがしっかり出来た段階で、
 お客様になってほしい人たちに意見を聞きたいと思っています。

 それで、10人中8人の人に「行きたい」と言わせれば、自分の中では、
 これで行ける!と自信をもてるのではないかな〜と思っています。

 それにしても、10年目にしてのドラッカーは、耳に痛いことも含め、
 理解できることがたくさんあります。まだ途中ですが、以前読んだ時
 は、難しくて、数ページ読んだだけで、おもしろくないし、「まっ、
 うまく行ってるからイッカー」という理由で、投げ出していたのでし
 た。

 非営利組織のマーケティングは、“セグメントごとサービスを作るこ
 と”とか、“不要になったミッションを廃棄するシステムを作る”と
 か、「えっ!」と思うことや、「やっぱり・・・」と思うことなど、
 学ぶことがたくさんありました。

 駆け出しではなく、ある程度年数を経た事業のミッションを「廃棄」
 し、再設定することの必要性などは、考えてみれば当たり前のことで
 す。これなどは、もっと、早く自分が理解していれば、違ったのに、
 と思うことの一つでした。

 最初の立ち上げでは、情熱ありきです。しかし、活動や事業が成熟し
 てきた段階では、次のミッションを再設定しなければならないのです
 よ。新規事業を考えたときですね。

 そして、多分、NPOでなくても、事業も一緒だと思いますが、そうなっ
 た場合に、すべてを1人で決定できる人ってどのくらいいるのでしょ
 うか。同じところを見ている理事や社員、運営者と、いつもミッショ
 ンを確認し、共有した組織を維持していなければ、セグメントごとの
 サービスなんていうのは、ほとんど無理だということが、今更のよう
 に理解できるのでした。

 最初は1人でもいいでしょう。でも、本気でNPOや事業をやろうと思
 う時には、1人では困難です。精神的にも肉体的にも、あなたを支え
 る人材や、メンターとの関係性をしっかり作って信頼しあっていくこ
 とが、第2段階としては最重要課題なのだと、今の私は思っています。

 あなたは、メンターが必要だと思ったことはありませんか?

 自分がメンターになる時期がくると思ったことはありませんか?

  キープラネット代表 川野真理子
http://www.keyplanet.com/kawano/index.html
 
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