私は私のためにキープラネットというネットワークを作りました。
最初から、起業家を支援しようなんていう気は少しもありませんでし
た。
私は、自分が学びたいことを一緒に学んでくれる仲間を集めて勉強す
る会を作りたいと思いました。自分が学びたいことを一生懸命みんな
に呼びかけて、勉強会を開催しているうちに、仲間たちはたくさん増
えてきました。
一緒に学ぶことがとても楽しかったし、みんなが喜んでくれることが
大いに私のモチベーションをあげてきたのでした。
まさに、私が喜べば、みんなも喜ぶという、理想的な姿がずっと続い
ていたのでした。
大切なことは、先に「みんなを喜ばせたくて、キープラネットを作っ
たのではない」ということ。自分がやりたいことを全力でやっている
うちに、一緒に喜ぶ人たちが増えたという図式なのでした。
そして、10年目。
人脈と実績と信用が出来ていくうちに、自分がやりたいことよりも、
集まって来てくれる人たちを喜ばさないといけない責任感やNPOの使命
をだんだん感じ始め、どこかで無理が生じてきていたようなのでした。
人は成長するし、変化するのです。
成長して変化する人の集まりが「社会」なのですから、社会が変化す
るのは当たり前ですね。
ずっと、同じではいられないのです。
経営者は、変化する社会の中で、ずっとずっと同じ経営状態を保つた
めに本当に頑張って頑張って、何年も何年も努力を続けているのです
よね。
自分の好きなこと、出来ること、自信のあることで起業し、さまざま
な体験を通して、経営を学んでいく。5年経ち、6年経ち、ふっと立
ち止まったときに、自分の好きなことが何だったのか、何がやりたか
ったのか、わからなくなったり、いつしか、忘れてしまったりする。
家族のため、人のため、組織のため、会社のため、株主のため、○○
○のために頑張る人になっている。
それって、とっても美しいこと? 否。
一生懸命頑張って気がついたときには、周囲からの期待は大きくなり、
自分のやる気は小さくなり、身動きとれない状況になっている。
・・という人が、あなたのまわりにも多くないですか?
私の周りには多いですよ。私がそうだから、同じような人が目に止ま
るのかもしれませんね。大きくすることがりっぱな経営者になること
だと思い込んでいる人はいませんか?
売り上げの成長だけを目標にして、その先に何があるか見ないで走っ
ている人はいませんか?
キープラネットは今年、変革の年となりました。
10年目の第2ステージは、これまでの「川野真理子がやりたいことを
やる会」から「会員自身がやりたいことをやれる会」へと体制を変換
し、さらに、将来に向かって、川野個人がやりたいこともしっかり入
れながら活動を強化することを役員一同で確認し、2007年のスタート
を切りました。
この2年近くを苦しんだ結果、あえてこの決断をくだした経緯を、
みなさんにもしっかりとご理解いただきたいと思い、会員内のメー
リングリストに投稿された一本のメールを、紹介することにしました。
もちろん、本人の了解を得ての紹介です。
投稿者は、キープラネット設立当初からの会員でもあり、今やネット
界ではカリスマ的な存在になっている込山民子さんです。
彼女の洞察力、文章力、わかりやすさと、指摘のするどさに改めて感
動しました。
起業して、5〜6年を過ぎてきた人には、特にじっくり読んでいただ
きたいと思います。
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有限会社ウィンアンドウィンネット
代表取締役 込山 民子(こみやま たみこ)
キープラネット入会:1997年11月
独立年月:1996年3月/法人化年月:2000年12月
http://www.win-and-win.net/
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こんにちは。
ウィンアンドウィンネットこみやまです。
大変ごぶさたしております。
今年のキープラネットの体制や方針が決まってから
「あれれ???」となっている方も多いようですが
私は、心から
「川野さん、よく決断したね!さすが!!」
「これでこそキープラネット!!」
と思ったので、それがなぜかを書きたくて久しぶりに
出てきました。
以下、長文ですが、よろしかったら
読んでいただけると嬉しいです(^^)
私は、キープラネットがキープラネットという名前になる前からの
古参メンバーのひとりですので
キープラネットと川野さんがどんなふうに成長してきたか
ずっと併走しながらみてきたつもりです。
その中で思うのは、
キープラネットというネットワークは、基本的に
「何かをしてくれる」ことがウリのネットワークではない
ということです(笑)
いや、でも、「何もしてくれない」と言っているんじゃないですよ(^^;
いろんなイベント、勉強会など
キープラ主催のものもたくさんありますが
それだけだったら、ほかにもいっぱいそういうことをやっている
ネットワークってありますよね。
しかも、キープラ主催のって
なんかみんなで歌を歌ったり、劇をしたり、とかの
ヘンなのも多いし(^^;;;
なので、「キープラネットがしてくれること」に主眼を置いて
かかわっていたら、「すごく価値がある」と感じることは
もしかしたら、少ないかもしれません。
でも・・・適切な表現ではないかもしれませんが、
「キープラネットを利用してやろう」と思ったとき、
キープラネットは、すごく価値のあるネットワークにかわります。
まだ立ち上がったばかりの起業家の方であれば
キープラネットの活動に積極的にかかわることで
自分を売り込むことができます。
すでにビジネスが軌道に乗っていて、次の展開を考えている方は
知恵を借りたり、パートナーを探したり、
キープラネットの中で、小さな形で「次の展開」を実験してみたり
することができます。
すでにビジネスが軌道に乗っているけれど、
実は会社の中でやっていることと全然違うことをやってみたかった
りするときも会社のネットワークとは、まったく違うネットワークを
キープラの中で築いていくことができます。
キープラに長くかかわっている方は、
キープラが何かをしてくれるから
川野さんが何かをしてくれるから
キープラにかかわっているわけではなくて
キープラを「うまく使っている」方たちのように思います。
*いま動いているいくつかのプロジェクトの中にも
とっても面白そうなものがあって
かかわりたくてウズウズしています(^^)
責任をもってかかわれる時間的余裕がないので
手を挙げられずにいるのですが
先日、川野さん・増田さんにお会いしたとき
「ちゃんとかかわれない自信があるけど
レストランにも、高校生向けの教育事業にも興味がある」
と打ち明けたら、「その気持ちだけでも表明しておきなさい」
と言われましたので、書いておきますね(^^)
これからも、キープラの中で
いろんなことを試し、力をつけ、自己アピールをしたい!
という貪欲な会員さんとおつきあいしていけたら
嬉しいなーと思います(^^)
それと、もうひとつ思うのは、
キープラは、私たち自身が「試す」場であるとともに
川野さんが身体を張って
「試してくれて、そのプロセスを見せてくれる」場でもある
ということです。
今回のコミュニティ・レストラン構想なんてまさにそうですね。
この話を「キープラがレストランやるんだって」っていうふうに
聞いてしまうと、「あらま〜 どうしちゃったの」って感じだと
思いますが(笑)
これは、ひとつの選択を、川野さんが私たちより先に
身体を張って見せてくれている、すごい例だと思います。
いま、私自身もそうですし、私のまわりにも多いのが
「事業をたちあげた」
↓
「だんだん大きくなっていった」
↓
「責任がだんだん重くなっていった」
↓
「好きなことが自由にできなくなってきた」
という状況にあって、息苦しさを感じていたり
あるいは、経営者が息苦しさを感じているために
成長が頭打ちになりつつあったりという事例です。
こういうふうになる経営者って、いわゆる「起業家タイプ」が多くて
「実業家」ではないものですから
「新しいことにチャレンジする」「立ち上げる」っていうことは得意でも
「着実に運営し、着実に成長させていく」ということは
苦手な人が多いんだと思います。
でも、一回会社を作っちゃったんだから、
そして、社員もいつの間にかいっぱい抱えちゃったんだから
やるしかないよなー っていう人が、ほとんどだと思うんですよね。
そして、いつの間にか
自分の夢、自分のワクワクのために始めた事業が、
「会社を継続させるため」
「社員に給料を払うため」
の事業にかわっていく・・・
キープラネットも10年やってきて、
「起業家が立ち上げて、軌道に乗った会社」のような
状態になったと思います。
川野さんがどう思っているかわかりませんが
私が川野さんだったら、もう本音としては「つまんない」と思います
ね(笑)
でも、これだけ会員さんがいて、会費を払ってくれて、
みなさんが「川野さん」「川野さん」って慕ってたら、
「私、もう実はつまんなくなっちゃってるのよね」
とは言えないですよね。
・・・と、これは勝手な私の想像で
自分の気持ちを投影しているだけなんですけど(笑)
川野さんがどう考えられたのか、本当のところはわかりませんが
川野さんが「守る」「育てる」ことよりも
「破る」「またいちから始める」という
リスキーな道を選ばれたことはたしかだと思います。
しかも、ただ無責任に「破った」わけではなく
「守る」「育てる」のところを
これ以上適任な方はいないと思われる増田さんに任せるという
鮮やかな選択をされたことは、本当にすごい! と思いました。
私自身、今回のキープラネットの動きには
本当に学ぶことが多かったし、勇気づけられましたし、
同じように、行き詰まりを感じている起業家の友人に
「こんな方法で突破したすごい人がいるよ」
「こんな方法もアリなんだよ」
ということもよく話しています。
キープラネットというネットワーク、そして川野さんが
どんな判断をし、どう動いていくのかを近くでみさせていただけるこ
と、そのものが、私にとっては、キープラネットの会員であることの
大きなメリットです。
以上、ながーくキープラネットにかかわっている私にとっては
アタリマエでも
最近会員になられた方には見えていない
「キープラネットのすごいところ」がもしかしたらあるのかも・・・
と思い、書かせていただきました。
長文にもかかわらず、最後までおつきあいいただき
ありがとうございました。
川野さん、増田さんが、これからどんなことをやらかしてくれるのか
成功も失敗も、どちらも心から楽しみにしています(^^)
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ここまで。
ちなみに、文中の増田さんと言うのは、キープラネットの副理事長と
して今年から、しっかり経営企画を担当してくれることになった、今
や起業業界では、マッスー先生として、非常に有名になってしまわれ
たエライお方です。こちら → http://www.masudanorihiko.com/
そして、コミュニティ・レストランって、一体なんのことを言って
いるんだろうという方には、絶好の紹介ページがあります。
昨年12/2の望年会の日に、初めてその想いを語ったページです。
「アントレnet」
こちら → http://entre.yahoo.co.jp/contents/network/0612.html
キープラネットは、今年10年目の節目の年になりました。
今年は、込山さんが書いてくれたように、会員が、本業とは別にやり
たいことや、本業にする前に実験してみたいことなどを、チャレンジ
できるプロジェクトや、勉強会、同好会、研究会を会員自らが手をあ
げて、仲間を募って楽しく実践していくことを推進していきます。
例として、いま動き出している活動をご紹介しましょう。
昨年、会員の(有)ワッフルの渡辺由美子さんが、キープラネットに
「子どもに関する社会貢献事業」の部を作ってくださいと申し出てき
ました。
自分のような小さくて無名で実績もないような会社が、大企業に行っ
ても相手にしてもらえないというのです。
そこで、渡辺さんを中心に、子どもを対象に仕事をしている人たちが
プロジェクトを組んで「社会貢献事業部」として、さまざま活動をし
てきたのでした。
その種まきが実り、2月1日に、東京都教育庁生涯学習スポーツ部
計画課の担当者が来られて、中高生のキャリア教育の現場で使う学習
プログラムの研究・開発事業の具体的な話をするまでになりました。
実は、すでに2004年「高校生のキャリア開発研究会」という研究会が
発足し、1年半位、活動を継続していた実績もあって、
http://www.keyplanet.com/study/200401-06/study03.html さらに、
渡辺さんの熱意が通じて、実現に向かうことになりました。
このような形で、キープラネットは、個人では無理だけれど、
まじめな人材や実績や信用をもっている、しかも起業家という、自分
の足で立っている人たちが揃っているNPO法人キープラネットのイン
フラを使って、こんな取り組みをしたいという人には、とっても役に
立つ起業家ネットワークです。
今年は、会員自身が実績や成果を出しながら、参加型の有益で楽しい
会を作りあげていくお手伝いをしていきたいと思っています。
この「社会貢献事業部」は、今年から「子育て・教育支援プロジェク
ト」と名称をかわて、子ども教育に関係している会員たちが一緒にな
って、活動していくことになりました。
ビジネスの視点と手法を使って、社会的な課題や社会に貢献するよう
なテーマに向かいたい人は、是非、キープラネットにご参加ください。
随時、入会説明会を開催しています。
しっかり納得してご参加ください。
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