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代表・川野真理子


コラム「銀座物語」
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−銀座物語− 独立と人生は、キープラネットが発行している会報誌の巻頭に
代表の川野真理子が毎号掲載しているものをホームページに掲載しています。
※1998年創刊号から2005年39号までは「神宮物語」として配信していました。
  2006年12月20日執筆

川野真理子の「価格の不思議」

キープラネットの渡邊桃伯子さんの会社がWeb制作とネットショップを構築している秋田の高清水さんが、バラで作ったリキュールを新発売したということで、試飲を送ってもらうことに なりました。

ちょうど、その日は、あるレストランに用事があったので、ついでに試飲をしてもらって、うまく行けば置いてもらえるといいな〜と思い、 もう1本追加を持参して出かけたのでした。

出かける前に、一応サイトで商品説明をみておこうとアクセスすると、わぉー、このリキュール、1万円もするのぉ!!!と、もう1本追加して送ってぇと、気楽に頼んだことがものすご〜く申し訳ないことだったと反省したのでした。

だが、もう手元には届いてしまっている。ごめんね、渡邊さん。
なんとかして、売り込んでみよう。そう思って出かけたのでした。

行ってみると、ちょうどワインのバイヤーさんが商談で来ており、たまたま同席となったので、高いんですよ〜と自信満々に、紹介したのでした。

「これは、秋田の由緒ある酒屋さんが、バラの花で作った新製品のお酒です。価格は、高いんですけれどね、香りがすご〜くいいので、試飲してみていただけませんか?」そう言って開栓し、トクトクとワイングラスに注いでみんなで飲んだ。

レストランのオーナーは「ああ、良い香りですねぇ。それにこれだけ強気の値段でこられると、勧めるこちらも自信をもって勧められるね。」と言いました。 バイヤーさんも、頷きながら、香りを楽しんでいました。

私はさらに「女性向けに、お誕生日の食前酒とか、なにかアニバーサリーで特別な日に飲んでいただくといいみたいですよ。」と言ってみました。

でも、そのレストランは、お料理だけでなく、お酒も特定の地域以外のお酒は扱わないということで、残念ながら取り扱いにはなりませんでした。

夜、事務所に戻ってきて、さっそく渡邊さんに電話で報告です。

「あのね、ワインのバイヤーさんの名刺もらってきたから。オーナーとバイヤーさんにね、1万円もするんですよって言って、女性のお誕生日とか、特別なアニバーサリーとか、食前酒に使ってもらえる高級なお酒なんですよって勧めたのよ。そしたら、強気の姿勢がいいねぇって言ってたし、バイヤーさんは、今度東京に進出してくるって言ってたから、連絡してみるといいよ。」

と、まるで私がアポでもとったかのような勢いで言ったのでした。

すると、渡邊さんは、「えっ、川野さん、あのお酒1万円じゃないよ、1260円だよ。」と言うではないか。

続けて「秋田県人は商売が下手ですみません。あのお酒はバラの花びらを物凄くたくさん使っているのにあの値段は安すぎると思うよね・・」とも。

私は「えっっっ。」と言ったまま、しばし絶句してしまった。
「ウッソー、、だって、サイトみたら1万円って書いてあったじゃない。」

渡邊さん「それ、何か違う商品みたんじゃない? あれは1260円だよ。」というのでした。

ひぇー、ナンチュウことを。。。二人で爆笑したが、爆笑の後はお互いに 返す言葉が見つからない。

あんなに1万円と思い込んで商品説明をして、自信たっぷりに勧めてきたのだ。先方だって、すっかり1万円の高額商品だと思って試飲の感想を述べたのだ。

1260円だったのね。1万円じゃなかったの。1260円だったのね、あぁ・・・。
1万円にしちゃいなさいよ。(^^;)

どうしてこんなことになっちゃったのかしら。。。
この勘違いを、爆笑している場合じゃないだろって。。ったく。。。

どんな顔して先方さんに詫びればいいのだろうと、意気消沈してしまった。
おっちょこちょいの私・・・トホホ。

価格はどのようにして付けられるのか。

今回の失敗は、私にとっては大きな学びになりました。どんな著名な人が書いた価格の本より、どんなすごい事例より、価格というものがもっている“意味”を体感した経験となったのでした。

価格というものは、適正価格がよいというわけではなく、もちろん、単に安ければいい、高ければいいというわけでもなく、高くてもつけた価格に、価値を見いだす人たちが買うものなのだと思いました。
ん?それって、考えてみたら当たり前なのかもしれないけれど、その価値を見いだす人たちがどこにいるか? それはどんな人たちなのか?

それが難しいのですよね。

てなことをいろいろー、感じた一件でした。

それにしても、こういうことになれば、やっぱりこの1260円の価格設定って適当ではないような気がします。安すぎると思いませんか?高清水さん。

  キープラネット代表 川野真理子
http://www.keyplanet.com/kawano/index.html
 
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