よろず代行引き受け人 サポートビジネスでガッチリ稼ぐ 『自らの起業体験をもとに 個人企業化をサポート ギブアンドギブで出し惜しみはしない』 キープラネット代表 川野真理子(45歳) |
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◆ 個人起業家を中心に会員数は200名 | |
倒産、リストラなどによる失業者の数は増える一方だ。景気回復の遅れから、日本の雇用状況は一向に好転の兆しが見えない。こうしたなか、会社に頼った生き方をやめ、独立、起業を志す人が増加の一途をたどっている。しかし、起業したものの、さまざまな問題に直面し、悩みを抱える事業主も多い。 今回紹介するのは、自らの経験を生かし、個人企業化と起業を志す人々をサポートするビジネスを展開しているキープラネットの川野真理子さんだ。 川野さんが手がける「キープラネット」は、起業家や起業を志す人を支援するための異業種ネットワークだ。 |
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◆ 敷居を低くして、誰でも入会可に | |
会員は「ビジネス正会員」と「会員」の2部構成だ。 これに対し会員は、ビジネス正会員の情報受信が主体となっている。 もう一つの特徴は低廉な会費だ。ビジネス正会員は入会金5000円で会費は月額3000円、会員は入会金3000円で月額1000円。それほど負担にならない金額といえるだろう。 こうした敷居の低さは、キープラネットのアクティブな活動の原動力を担う川野さんの信念に拠るものだ。 |
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◆ 一時は会社を設立するも、2年後に事業から手を引く | |
川野さんがキープラネットを始めたきっかけは、苦労した自らの起業体験によるものだ。 川野さんは、「これからはパソコンの時代が来る」と見て、データー入力をはじめとしたパソコン関係の仕事を開始、その後、92年、自宅を事務所に有限会社を設立した。 しかし、ここで大きな壁に突き当たってしまった。 |
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◆ 『フリーのネットワーク作り』の企画書がきっかけで再スタート |
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会社を休眠させた川野さんは、次なる展開を模索するため、派遣の契約社員として収入を確保しながら、余暇を使って勉強会などに通った。そこで出会ったフリーランサーや個人起業家たちは、自分と同様の悩みをもっていることに気がついた。そこで川野さんは一番必要としていたスキルアップと交流・情報交換を軸にした『フリーランサーのたえのネットワーク作り』を書き上げ、ある企画書のプレゼン大会で全国大会2位に輝いた。 このことがきっかけとなり、約半年間の準備期間を経て、キープラネットは98年1月、正式にスタート。当初は、女性12〜13人のサークルのような勉強会だったが、キープラネットの評判は確実に広まり、99年末には100名の会員を擁するまでに成長。川野さんはキープラネット専任を決意した。個人起業家をサポートするビジネスの起業家をして、再び経営者の道を進み始めたわけだ。 |
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◆ NPO法人の申請を行い、活動の幅を広げる |
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昨年からキープラネットは第二の目標へと歩を進めた。キーワードは「仕事をつくり出して」で、より実務的な方向へと展開を図っている。 その一つが、専門部会制の導入だ。これは、会員を業種別に5つの専門部会に分け、各部会ごとに定例会を開催していくもの。毎回会員自身が講師となり、ノウハウや体験談などを披露しながら、それぞれ会員間の交流をより深め、新しいビジネスチャンスの創生を促進するのが狙いだ。 「同業者はライバルではなく、手をつなぐべき仲間。実際に、会員間で新しい仕事が次々と誕生してます。」 また、キープラネット自体としても、サポート業務の拡充を図っている。なかでも、現在最も力を注いでいるのが代行業務だ。個人事業主は、本来の業務に加え、経理、営業など、雑多な業務すべてを一人でこなさなければならない。負担を少しでも軽減するためんおアウトソーシング促進が目的だ。 「キープラネットは営利を追求しないので、リーズナブルな価格設定が可能です。また会員の業務を熟知しているので、電話の取り次ぎひとつ丁寧な対応ができるメリットがあります。」 今年初め、「キープラネット」はNPO法人の申請を行った。これは、社会的な認知度を向上させることにより活動の幅を広げる狙いとともに、キープラネットに賭ける川野さんの決意を示すものといえるだろう。 自らの苦悩や苦労を見つめ直してみること。“悩み”は“ニーズ”と表裏一体だと認識することにより、新たなビジネスチャンスを創出できるといえるだろう。 |
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