【産業春秋記事全文】

最近、起業家支援を行っている何人かの方の話しを聞く機会があった。大手企業を退職して創立した支援組織を運営する方は大学と連携して「博士号を持つ優秀な若手人材と(投資をする)エンゼルを結びつけたい」と語っていた。

▼別の経営者は大手企業とベンチャー企業の連携促進へインターネット技術を活用した独自のネットワーク作りを進めていた。「コミュニティーをつくり、議会設置も」とユニークな発想でのベンチャー進行構想だ。

▼いずれも男性だが、キープラネットという起業家支援を運営する川野真理子さんの今年のテーマは「仕事と遊ぼう!仕事人と遊ぼう!」と元気印だ。

▼5年目を迎えた同組織は特定非営利活動団体(NPO)を申請している。会員はベンチャー経営者のほか、支援会員も有し、約200人の会員の70%は女性。会員の事業分野はソフトウェア開発、デザイナー関連、物販などと多彩で公認会計士、弁護士もいる。

▼国民生活金融公庫の調べによると、女性経営者の利用は2000年度から増え、現在は15%程度に達している。米国が前回の不況から脱出する際には女性の起業が貢献したというから、現下の不況脱出で期待できる兆しともいえる

▼インターネットが便利といっても、起業には活発な人的ネットワークが大切。エンゼル組織の全国組織も今月発足した。民間の異業種交流組織、起業家支援組織などは、役人主導の政府の起業支援とは違った広がり、うねりを生む可能性を秘めている。