イベント・セミナー・講演

●仕事人のための 
「頭の中を企画整理する」講演会
 −SOHO及び企画部門・企画会社は知的資産の切り売り屋− 

日 時 98年9月15日(火・祭日)1:30〜開場 2:00〜4:00講演 
場 所 ペアーレ新宿 セミナールーム 5285−8686(JR山手線新大久保駅から徒歩7分) 
講 師 企画工学研究所 忰田進一氏 
参加費 4000円 
内 容 1)誰のために何の仕事を誰がしているか。 
      ・企画時代(戦後から今までの時代の変化) 
      ・企画の種類(ひとくちに企画といっても) 
     2)企画会社的仕事の仕方 
      ・何屋なのか?(あなたは何を売っているか) 
      ・仕事の流れ(受注から納品・請求・回収まで) 
     3)Q&A 約30分 
 
企画工学研究所のURL http://www.perinet.co.jp/  

<Q&A> 

Q1:「企画範囲」というお話の中で「自分がやっているのは、全体なのか部分なのか個別なのかを認識する」というところがありましたが部分と個別の違いは? 

A1:例えば、ディズニーランドを企画する場合ディズニーランド全体の企画なのか、○○ゾーンの企画なのか、 ○○ゾーンの中の建物のひとつの企画なのかということ。 自分の仕事の範囲だけ見ればいいのではなく、自分の仕事の外側の関連する部分を考えながら要件をヒアリングし、企画を立てなければならない。 

Q2:はじめてのお客様の価格設定がわからない。 

A2:売上=原価+経費+利益 
   原価(自分の仕事の対価)をどのように決めるかで価格は決まる。 
原価の決め方は 
(1)自分の時間給を決め、何時間くらいかかりそうかで見積もる。 
  ・・・その時間給で相手を納得させられるか? 
  作業時間が見積りより長くなったとき、その分を請求できるか? 

(2)ノウハウ料(デザイン料など)として請求する。 
  ・・・根拠(明細)が明白でなければ、相手を納得させられない。 
  業界標準・他社との折り合いを考えて適切な値づけをする。 

*時間給でやっていると、仕事時間量以上には利益は上がらない。

■悴田先生の講演「頭の中を企画整理する」に参加して

 私たちは日々いろいろな事を発想しています。中には名案と呼べるものもあるでしょ う。しかし、思いつきのレベルのままでは他者に対する説得力を持たず、頭の中のひら めきは、いとも簡単にその姿を変えてしまいます。折角のひらめきを理想的な形にとどめ、企画として他者を説得できるところまで洗練していくためには一体何をしたら良いのでしょうか。悴田先生の講演の中にはいくつもヒントがありました。その中で印象に残ったものをご紹介します。 

1)コンセプトの確立と企画の妥当性。 
 顧客のニーズをしっかり把握した上で全体に通じる基本コンセプトを確立し、自分の企画の妥当性を論理的に説明できるようにする。 
2)仕事の仕組み作りとノウハウ化。 
 チェック・シート、フォーマット・シート、マニュアル、テキスト、パッケージ化によって業務をノウハウ化する。 
3)ノウハウの活用。 
 このノウハウはプロとしての自分を相手に認識させるツールにもなり、これを話せば雑談中でさえも情報の発信、つまり営業ができる。 

 これらはほんの一例ですが、このように意識の持ち方、考え方そしてすぐにでも実践できる具体的な方法も今回の講演の中に折り込まれていました。また、プレゼンテーションについても様々なお話がありました。中でも「誰かに会わせてもらえるだけでも、それはりっぱなプレゼンテーションの機会。名刺交換もぼーっとしていないで必死で情報発信すること。」という先生のお話には、はっとさせられるものがありました。なぜなら名刺交換は営業のプロセスの入口、一通過点として取り敢えず様子を見るという認識しか自分が持っていなかったことに気付かされたためです。これはまさしく一期一会の心得、その瞬間をのがしてはならないということですね。悴田先生とは一期一会を心得ながら、このあとのマーケティング道場で何度もお会いすることになりそうです。 

マーシャル理恵子(会員) 

(※この文章は会報誌上で編集中のミスにより不完全な状態で掲載されてしまいました。ここにお詫びと訂正をし、全文正しく掲載させていただきました。ご迷惑をおかけし申し訳ありません。) 


●キープラネット品川支部キックオフ講演会
   「子どもの心・親の心」講演録
 

日時   98年7月25日(土) 14:30〜17:00 
 場所   大井町駅前きゅりあん3F母子福祉室 
 講師   いのちの電話 後援会員 渡辺富子氏 
 配布資料 あり 
  
 1:いのちの電話について 
 ・1971年宣教師ルツ・ヘッドカンプ先生が、日本での母親による子どもを道連れにした自殺の多さに驚き(=子どもは親の従属物・子どもを一個の人格者として認めない社会)、自殺防止のため24時間の電話相談を創立。(ただし宗教性は全くない) 
 ・かかってきた人と受ける人が両方匿名であり、双方のプライバシーを守るのが原則 
 2:1991年と1997年の電話受信数の問題別分布図・年代別分布図より  (1)小学生からの電話のパーセンテイジが倍になっている。 
  ・・・親にも先生にも話せない子どもの増加、親より電話が身近になっている 
(2)思春期で本来なら一番自分を見つめ直す時期であるはずの中高生の件数は減少している。 
  ・・・自分の言葉で自分の気持ちを言い表せない・言わせない社会携帯電話で話しているのは、時間を共有したいだけ(孤独に耐えられない) 
  本当の気持ちは話せない(親も本人も仲間がいるという錯覚に陥っているだけ) 
  テレクラなど他の手軽な媒体への分散 
(3)40代男性の件数が増えている 
  ・・・中高年男性の自殺の増加(本当の気持ちを言えない環境で大人になってしまった) 
3:いまの子どもを取り巻く社会  ・変身ものなど、本来の自分は変わらないまま、何かに変身することによって強くなる、ポケモンなど自分以外の者同士を戦わせるようなテレビ番組が増えている。 
・テレビのチャンネルを切る権利を子どもに奪われている。または親も一緒になって、無分別に子どもが見たいものを見てしまっている。 
・・・子どもにふさわしい番組かどうか夫婦で話し合いをする。テレビを見せないと子どもが学校で友達と話ができなくてかわいそう、というのは相手に合わせているだけ。 
・現在教師になりための倍率は非常に高く本当に勉強ONLYでやってきた人しか教師になれない状況で教師の「心の体験学習」が不足している。 
・自己チュー児が増えている。(朝日新聞より) 
・自分の要求は上手だが、人の要求は受け入れられない。自己主張は上手だが、人の自己主張は聞けない子どもが増えている。 
・・・社会の価値観を反映しているとも言える。 
・親も子どもに向合えない親が増えている。何かしたときに怒りもせず抱きもせず、何もなかったかのように振る舞われると、子どもは気持ちのやり場がなくなってしまう。 
・引きこもり(社会と関われない)が大きな社会問題になってきている。 
 4:Q&Aより抜粋  ・20年以上いのちの電話相談員をボランティアでやってくることのできた原動力は? 
 ・・・相談を受けていく中で「生きている」ということ「みんなひとりじゃないんだ」ということを実感できるから 
・ストレス対策は? 
 ・・・自分の限界は超えられないと自分で受け入れ家族に発散(?) 
・女性に対する性的暴力の相談件数は増えている? 
 ・・・件数的に増えているかどうかは不明だが、昔より女性が社会に向かって言える状況になったことはたしか 
・なぜ「自分の気持ちがわからない・見つめられない」ということが起こるのか? 
 ・・・”自分””個”より”世間”の価値観、”親”の思惑が先行している状態でずっと育ってきているから 
・小学生はどのようなことを相談してくるのか?またどのようにしていのちの電話の番号を知るのか? 
 ・・・内容的には他愛のないものが多い(まれに性的虐待などの電話もある) 
   電話番号は公的な資料には載っているし、こども向けの雑誌で紹介されることもある。 
・電話相談だけで解決のつかない問題については、他の機関と連携しているのか 
 ・・・状況に応じ、他の機関を紹介することはもちろんしている。 
・ひとりの人の電話相談が、一回で終わるとは限らないと思われるが? 
 ・・・匿名での電話相談なので、その都度一から話をする。 
・話中が多いと聞くが。 
 ・・・需要と供給の問題。 電話をしてくる人は増えているのに、不況で企業からの献金は激減している。 
・登校拒否になっている子どもに自分は「学校に行きなさい」と言いたいが、まわりから「言ってはいけない」と反対されている。 
 ・・・信念があるのなら、言っても構わない。信念があるにもかかわらず、言えない親子関係になってしまっていることが問題。 
 5:参加者自己紹介 

 6:最後に   「子どもはこれからの社会・地球を担う大事な一員である」という信念で子どもを育てていくことから、社会は変わっていくのではないでしょうか。  以  上